重度障害者用意思伝達装置『TCスキャン』

意思伝達装置がどの様な機器であるかは以前の記事
『意思伝達装置とは?』にて説明をしましたが、
ALSや筋ジストロフィー、多系統萎縮症等の神経難病や
身体障害をお持ちで意思疎通や意思伝達が難しい方が、
思いを伝えて簡単に会話が出来るようになる機器です。
今回はその中でも株式会社クレアクト社の
『TCスキャン』をご紹介します。
TCスキャンはどんな機器?
TCスキャンはTobii社のT、Creact(クレアクト)のCで、
世界シェアNo.1アイトラッカーであるTobii社ソフトと
日本輸入元であるクレアクト社とで構成されています。
TCスキャンの特長①操作性の高い専用メニュー
TCスキャンの操作メニューはスイッチ/視線で操作が
しやすいよう、それぞれ専用メニュー画面が設けられています。


スイッチ操作はスキャン操作となり、
最低メニュー数で操作ができるよう作られています。
視線操作画面では目が疲れたときの休憩ボタン等、
視線入力に向いた作りとなっています。
TCスキャンの特長②ソフトの3ライセンス
TCスキャンの会話ソフトはTobii社の『Comunicator5』
を採用しており、ソフトには3ライセンスが入っています。
※ライセンス:ソフトを使用するためのチケットのようなもの。
1台のPCにライセンスコードを入力すると1チケットが消費され、
他のPCではソフトをインストールしても使用不可となる。
ライセンスを3つ使えることにより、
患者さんのTCスキャン以外にも
2台のPCでソフトを使うことが出来ます。
例えば患者さんから「画面が小さくて見えづらい」
「ボタンの数を増やしたい」等の要望があるとします。
通常はその場で患者さんの機器を操作し改良しますが、
支援者がライセンスを外部のPCで改良を行い、
そのデータを患者さんの機器に取込む事が出来ます。
これにより、時間や場所に関係なく改良できます。

TCスキャンの特長③視線入力に特化
前述の通りTCスキャンはTobii社のソフトを使っており、
Tobii社アイトラッカーを使用する際は相性が良いです。
また、PCはIntel Core i5,メモリ8GB,SSD256GBの高性能
PCを採用しており、ソフトやアイトラッカーの動きが良いです。

TCスキャンの特長④自由な編集とページ作成
TCスキャンの操作画面は、使う方に合わせて
自由にカスタマイズ(編集)が可能です。
視力の弱い方なら文字を大きく、
眼振のある方ならボタンを縦長や横長に、
また、療育目的ならクイズ画面やキャラクターの
画面を作成する等、ページの編集/作成は自由です。
これらの編集/作成した画面はソフト内の
ホームページからいつでも切り替えが可能です。


TCスキャンの機能紹介①会話文字盤
TCスキャンの会話文字盤は、
視線用3種とスイッチ用1種から切替可能です。
また、これらの文字盤ももちろん編集が可能です。

文字盤大は1マスが大きい代わりに入力まで2段階あり、
文字盤50音は一覧になっている代わりに1マスが小さくなります。
患者さんに合ったものを好きなタイミングで変更します。
TCスキャンの機能紹介②よく使う語句
文字盤で1文字ずつ打ち込むことが面倒でも、
「吸引してください」「よろしくおねがいします」
等、日常的に多く使う文章は事前に登録し、
いつでもすぐに伝えることができます。


また、語句登録はご本人/支援者どなたでも可能です。
TCスキャンの機能紹介③リモコン
リモコン機能では、テレビや照明、扇風機等、
赤外線のリモコンを付属の環境制御装置に登録し、
視線やスイッチで操作を可能にします。



TCスキャンの機能紹介④インターネット操作
TCスキャンのネット操作は感覚的に操作が可能です。
また、ラインやYoutube,Googleの操作は
専用の操作画面で簡単操作ができます。


まとめ
TCスキャンは
- 視線入力に特化した高スペックPC搭載
- 3つのライセンスで支援者も使いやすい
- 専用メニューが使いやすい
- 使う方に合わせた自由な画面編集/作成
以上の特長がある意思伝達装置です。
試してみたい方、話を聞いてみたい方は、
どうぞお気軽にご連絡ください。